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横浜観光コンベンション・ビューロー

皆さま こんにちわ。 すっかり、すっかりご無沙汰してしまいました。 信じられない暑さが続きましたが、夏、お元気でお過ごしでしたでしょうか?やっと涼しくなってきて、夜もエアコンなしで眠ることができるのが嬉しいですね。

さて、昨日は横浜観光コンベンション・ビューロー様主催のおもてなし研修を担当させていただきました。 毎年1回開催していらっしゃる「ホスピタリティ研修」シリーズで、前回は日本最高のコンシェルジュとも呼ばれている阿部佳さんがご担当なさった、ということで、かなり緊張して伺いました。

100名近くの参加者の半数近くがボランティア通訳をなさっていて英語がお得意の方々、ということでしたので、「英語への苦手意識のハードルを下げましょう!」というアプローチは必要がないのか。しかし、もう半数の方々は英語を使うことに勇気が持てない方が多く、もちろんその方々にも研修に参加して良かった、と感じていただきたい、、、ということで試行錯誤しながら進めました。 どうだったのかなあ、、、ととても気になりますが、アンケートの集計を待ちたいと思います。

研修後に質疑応答の時間があり、その中で、「今や日本中でおもてなし、おもてなし、と言われるようになり、海外を旅行して帰ってきても日本のおもてなしのレベルの高さを感じる。もう「おもてなし研修」というものは必要性がなくなるのではないか。 どのようにお考えになりますか。」との質問を受けました。 「〇〇な時にはどんな英語で対応したらいいのですか?」のような具体的な質問が多いなか、辛辣なご意見にとっさに戸惑いましたが、大変鋭く素晴らしい着眼点だと思いました。

確かに伝統的に「おもてなし」の国である日本で、オリンピック開催が決まってから「おもてなし」への意識はさらに高くなり、積極的な取り組みが各所で進んでいます。 ただ、日々の対応に追われて、「おもてなし」とは何だろう、と改めて考える余裕がない現場もあるのでは?と感じます。 私自身、接客業に従事し、接遇マナー講師をしていたにもかかわらず、改めて「おもてなし」とは、と考えたのは、実際に「おもてなし研修」を担当するようになってからなのです。 「おもてなし」について考え、今までの自分自身の経験(自分の行為で相手に喜んでいただいたこと、反対に「おもてなし」を受けて感動したこと全て)を思い出してみました。 何気なく行っていたこと、反対に私が多くの方々からしていただいていたこと、の中に「おもてなし」がたくさんありました。

「おもてなし」の素晴らしさは、「相手の立場になって考え、相手を思いやり、敬う」というその「」です。例えば、先日、文房具店に行きノートを購入した際、お店の方がノートを袋に入れ、テープの端を少し折って留めてくださいました。 日本ではもはや当たり前のことでしょう。 高級店にいかなくてもそうしてくださるところがたくさんあります。 でもそんな細やかなサービスを受けられる国を私は知りません。 それは「相手の方が取りやすいように」という考えから始まったのだと思いますが、そのような心配りがさりげない「かたちになっているケースが日本には溢れています。

それなのに「日本のおもてなしって本当に良いのか?」というような口コミや雑誌の特集が組まれているのはなぜでしょう。それは最初は「おもてなし」から始まったサービスがいったんサービスとして定着してしまうとそれがルーティーンとなって機械的な対応になってしまったり、目の前のお客様や相手から離れ、自己満足のために行動してしまうことがあるからではないでしょうか。 「おもてなし」は「相手」のことを考える心、その心を伝える対応です。ですから「相手」が見えなくなって、サービスや行為だけが独り歩きするようになってしまうと、同じことをしていたとしても「おもてなし」ではなくなってしまうということもあります。 今までは日本のお客様の対応が中心で、定着していた「おもてなし」サービスの中にも海外のお客様にとっては必要ではないものがあるでしょう。 あるいは日本のお客様の嗜好も変わりますので、その変化に敏感でなければいけないでしょう。 あくまで「おもてなし」は一期一会。 今、目の前にいらっしゃるお客様がご満足いただけるように、ということを忘れないようにしなくてはいけません。

とは言え日々の忙しい業務の中ではついついそのことを忘れてしまいがちです。 私は「おもてなし研修」をhow toを学ぶ研修ではなく、「おもてなし」の素晴らしさを再認識して自信を持っていただき、そしてお客様や対応する相手の方々の「今」について考える機会と考えています。 そして私自身も受講生の皆さまから「おもてなし」の今を学んでいます。 そういう意味でも、まだしばらく「おもてなし研修」の存在意義があるのでは?と信じています。

かなりのブランクのあと、いきなり熱い気持ちを語ってしまいましたが、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです♪

横浜、山下公園の近くの会場に向かう道では海の香りがしました。 お部屋の名前も海を感じる「かもめ」でした。

中野美夏子

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